こんにちは。Larkです。
本日は「風」をキーワードにします。
前回記事の構造計算書の中で「地震力」を確認しましたが、同じ短期荷重の中に「風圧力」計算が存在します。そこで、購入する土地がそもそもどんな環境なのか?を含めて確認したのですが、どんなツールがあったのか?含めて紹介していきます。
1.風配図の活用
まず、「その土地の風を確認する」訳ですが、私が使用したサイトは以下です。
このサイトの「調査・研究」の中の「自立循環プロジェクト」に入ります。
「自立循環型住宅」を選択します。
「よく見られているページ」の「気象データ」を開いてみてください。
あとは、地震のみたいエリアを選択するだけでOKです。
すると・・・
はい。ゲットしました。各月の平均風速、風配図「起居時・就寝時」、平均気温、平均相対湿度と中々有用な情報です。
我が家は西側にマンションがある為、西日は遮ってくれるものの以下の様にマンションの配置が悪く、西向の風は面積が絞られる為、ベンチュリ―効果で風速が増大し得る可能性があります。
しかし、風配図で確認できる通り、西向きの風はほぼ発生していない事が分かります。
あるとすれば台風が通り過ぎた後の西風ですかね…。台風時の強烈な南東、東風は隣家がブロックして(守って)くれる配置となっていました。事前に確認しておく事は安心に繋がります。
2.風圧力の確認
さて、構造計算の中で先送りしました風荷重の計算に戻ります。
計算書にはこう記載されています。
地表面粗度区分Ⅲは通常の市街地に相当し、我が家もこれに分類されます。海辺や大都市で風の影響が異なるので分類分けされています。地表面粗度区分によって風力係数の算出が異なります。以下の算出はこちらのサイトから引用させて頂いています。
風力係数とは – 建築構造の備忘録 (books-memorandum.com)
ここでKzは建物高さと軒高さ平均Hに対する基準高さとの比
風力係数Cfは屋根形状によって異なり、切妻屋根では
となっています。これから、我が家の風力係数も同様で一致しています。基準風速はエリアによって国で決めている数値と思いますが基準風速:38m/sとなっています。
上式の通り、等級2で1.2倍換算して計算しているのですが、速度は2乗で効いてくるので速度換算で約1割増し≒42m/sでOKを確認できている。という結果に伺えます。
風圧力は、この風力係数に高さ方向の割増係数と突風の割増係数を掛けて見附面積から算出されています。
なお上記のErやGfのグラフは以下のサイトから引用させて頂いています。
「平均風速の高さ方向を表す係数Er 、ガスト影響係数Gf」と「地表面粗度区分」の関係って? - ~構造設計者こーじの構造解説blog~ (young-structure.com)
結果、2F:58kN 、1F:89kNと予想以上に大きな値である事が分かりました。
shinshin-msi-thanks.hatenablog.com
以前の記事で地震力を算出しましたが、1Fの層せん断力は地震力よりも小さい値を示しているものの38m/sの暴風時は馬鹿にならない大きな力が発生する事が確認できます。
裏を返すと、地震に備えて壁量を適切に配置し耐力をつけるという事は「超台風時の超突風にも備える事に繋がる」という意味を理解しておく事は、施主としても重要点かと思いました。
ただ、我が家は隣家がブロックし守ってくれそうですが…。
本日は以上です。