こんにちは。
Larkです。本日も構造計算書を読んでいきます。施主の為に書かれてないので、補足が少なく非常に分かり難いですよね。(そもそも大半の施主は、計算途中は気にしていないかな?)自身の理解と頭の整理の為にも、記事に残して後々住宅を建てられる方の役に立てられればと思います。
さて、前回の記事で地震力の算出までいきました。今回は
shinshin-msi-thanks.hatenablog.com
地震力から算出される必要壁量計算を理解する
をテーマに致します。地震力を壁が受止めるため、壁が内部応力として耐えられるか?を確認していくわけですが、力を受止める壁を「耐力壁」といったりしますね。
過去記事でも「壁」について取り上げていますので、もしよければ覗いてみて下さい。
shinshin-msi-thanks.hatenablog.com
それでは、計算書に入っていきたいと思います。
外力に対する必要壁量計算
風圧力(台風等)の計算に関しては別途記事にしたいと思います。今回は上の地震力です。層せん断力は前回記事で算出した数字が記載されています。この地震力に対する必要壁量ですがこれはシンプルでした。
壁倍率の定義から、「層間変形角を1/120で保つ為に必要な壁長さはいくつですか?」とすれば、層せん断力を1.96kN/mで割った結果が必要壁量の数字になりました。これに対して、我が家の設計壁量をぶつけてマクロで評価しています。それでは設計壁量の中身はどうなっているかというと。
上記の耐力壁のみ(壁倍率×壁長)の総和となります。耐力壁は赤線であり外周部は壁倍率5or4で,内部壁は壁倍率2となっています。
ちなみに合板に関してですが、ウィザースホームは構造用合板は日本ノボパン工業の「novopan STPⅡ」が標準仕様となっています。
壁倍率としては面材で担保しており、実態は釘打ちを丁寧にできるかにかかっているのかな。見学時には、釘の色や打ち付ける場所が分かり易くなっていて施工もし易いとアピールされていましたね。頼むよ監督!
次に、告示1540による仕様規定の壁量計算ですね。
仕様規定における壁量計算
こちらは、床面積に対して重い屋根か軽い屋根の構造に応じて壁量を確保しましょう。というチェックになります。(バランス等は未考慮)
瓦屋根により、重い屋根に分類される為、基準法ベースは2Fが21、1Fが33の係数となっています。等級1の必要壁量は当然OKです。
次に耐震等級3のチェックは同様に重い屋根に分類される為、基準法ベースは
2Fが30、1Fが69の係数となっています。等級2・3では上下階比率を加味する事になっているので、Rf(2Fの床面積比)を用いて、2Fは×1.37、1Fは0.997という補正が加わっています。結果、上記の単位壁量(2F:41.11 1F:68.79)に変換され、耐震等級3の必要壁量が算出されました。
あくまでもマクロな必要量を満たしているか?であり、バランスや耐力壁の直下率は全く考慮されていません。加えて各部材強度に関しては次項以降の詳細計算結果という事です。
前回の地震力の算出といい、ロジカル・物理的な意味合いが弱いんだよなぁ…。
とりあえず壁量チェックは以上になります。
最後に、構造屋さんのセミナー動画で分かり易い資料がありましたので共有して終わりにしたいと思います。