屋根について考える

 

こんにちは。

Larkです。

本日のテーマは屋根です。

※↑Larkの家ではありません…
 ◆屋根について考えた事◆
1.屋根配置、形状、面積、方向
2.屋根材質・重量(瓦、ガルバ(SGL)、スレート、他)
3.色、瓦形状、葺き方向
4.屋根勾配
5.ルーフィング
6.棟換気
7.太陽光パネル
 
1.屋根配置、形状、面積、方向
 
屋根は「雨露などを防ぐために建物の上部につけたおおい」とあります。
すなわち、防水、防雨における超重要な構成要素となります。
「間取りの方程式」の著者で有名な建築士飯塚豊先生は
駐車場の後に屋根と中間領域から考えると仰っていました。

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すなわち、敷地の特性(抜け)を活かせる屋根配置を考え、中間領域を考慮した窓や凹み(空間構成)から間取りに繋がるという事です。また、屋根が決まると棟木が決まり、それを支える柱や壁が決まっていくという流れになります。非常にロジカルで分かり易い!どの家づくりにも生かせる基本的かつ合理的な考え方と思います。

 

という事で、構成要素としての屋根を始めのテーマにしました。形状については以下動画を参照ください。

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屋根形状には、切妻、寄棟、片流れ、フラット、他下屋等いろいろありますが雨だけでなく、換気と密接に影響しますし、軒の方向を決めます。また形状により壁量にも影響する事から断熱性にも関与します。(谷形状はもっての他です)
 
我が家も、隣地環境(抜け方向)、前回記事の日影図(日照条件)を加味して配置、屋根方向を決めました。

shinshin-msi-thanks.hatenablog.com

 

2.屋根の材質

 

屋根を意識すると、既存住宅の屋根に目が行く様になりました。意識して屋根をみると残念なスレート屋根を良くみる一方、きれいな瓦屋根やシンプルなガルバ屋根に好印象を抱く様になりました。また調べるほど、瓦自体の素材寿命も大切ですが、その下地の寿命も重要である事が分かりました。

個人的に分かり易かった動画が松尾先生の弟子?の森下さんの以下になります。

瓦とガルバリウム鋼板 どちらの屋根が良い? - YouTube

屋根の寿命を伸ばす最大のポイント - YouTube

50年以上持つ家とは?(屋根編) - YouTube

LCC(ライフサイクルコスト)の観点で屋根の修繕・寿命を考えると

私は瓦屋根が最も優位と考えました。最大のデメリットは「重量」になり、壁量が増える→間取り尤度(空間確保)の制限が発生しますが、ここに問題がなければ屋根単味でみれば(太陽光との相性等も意見がありますが)瓦が最有力と思っています。

コストについては「ウィザースホーム」さんは標準仕様なんで問題無し。

念の為に、我が家での瓦・ガルテクトの重量差異は以下です。

勾配と選択する瓦によって差荷重が変わるので計算しました。

結論的には4.5寸の標準瓦(2922kg)からは軽量瓦採用と3.5寸勾配化する事で2275kgまで重量減としています。それでもガルテクトに比べ2t弱の重量差があるので 耐震面で有利差は否めないですが、耐震等級3を確保する事でリカバーと思っています。

 

私が採用した瓦は標準仕様内の(セラフラットⅢ/セラマウント/セラム21/FS-40N/

セラムFフラット/ディプロマットⅡ/MSタフビーム/セラムF3/コロニアルクアッド)等の中からセラマウントを選びました。

 

軽量、緩勾配対応、防災瓦、に加えて、上記の下地寿命を考慮して凹凸構造による通気確保の優位性があると判断したからです。デザインだけで考えると、圧倒的にフラット瓦なんですが、下からはあまり見えませんし、通気層を設ける事は家への熱伝導・熱伝達の観点でも(定量的な確認はしていませんが)優位とも判断しています。
ちなみに、比較検討したスーパーガルテクト(IG工業)

アイジールーフ 商品の特長|商品情報|アイジー工業株式会社

も非常に良い商品で悩みに悩みましたが、(軽量かつ断熱、ガルバ+Al・Mgによる耐食性向上)、最終的には瓦自体が高寿命、通気層→下地寿命の事を考えてセラマウントを選びました。

3.の色についてはエコカラー(高反射率の白)がありますが、壁がホワイトなので

デザイン的に選べず、中間のシャドーダークに。

 

4.屋根勾配

 

屋根勾配は、家の形(ファサード)、換気効率、上記の通り屋根重量、壁量、太陽光設置の場合は発電効率に左右する重要事項です。Larkは面長な顔(おでこが広い感じ)の家が好きでは無いので、極力勾配を抑えたいと考えていました。換気効率については以下の論文を参考にしました。

3025 建築物周囲空間の気流状態に関する実験的研究(計画)

5寸勾配では棟から風上側軒先にかけて正圧になる為、風速による負圧を利用する、高さを出して換気効率を上げる工夫がいると記載がある。したがって、陸屋根・3寸勾配では風上側の屋根面が負の静圧に加え、動圧(風速力)を有効に活用できる為、どの位置に換気口を設けても良いと記載がある。従って、3寸勾配付近は換気効率も良好であり、排水性も考慮して4.5寸勾配から3.5寸勾配への変更は比較的良いバランスと判断しました。

 

なお、勾配に伴う太陽光発電発電効率への影響はJPEAのHPに記載があります。

設置方位や設置角度の影響はありますか? - JPEA 太陽光発電協会

Larkの家では、太陽光パネルは真南面に設置可能ですので、変曲点箇所で微妙に上昇代はありますが、19度→24度の変化は許容範囲と判断しています。(真北や北東・北西面の場合は、この勾配変化はデメリットとして許容できないかもしれませんね…)

 

5.ルーフィング

 

上記の森下さんの動画にありますように、ルーフィングの防水性・耐久性は家の耐久性に大きく左右すると言って過言ではないと考えます。いろいろな透湿ルーフィング材があり調査・整理しましたが、高品質のルーフィング比較に関しては素人にはもう判断しかねましたので、採用実績数が最も多いであろうタイベックを採用とし、オプション施工としました。

 

6.棟換気

 ウィザースホームは勾配天井を採用しなければ、天井断熱の為に天井裏が存在します。ここは外部扱いで、外壁面の胴縁通気層から上がってきた湿気、天井面から入ってきた湿気、室内の防湿ライン、気密ラインから侵入してしまった湿気は棟から排出しなければなりません。また、屋根面から熱せられた熱はしっかり棟換気から排出しなければいくら断熱層があっても高温になれば熱伝導して居室の温度を上げてしまいます。

標準仕様では3箇所となっていましたが、5箇所に変更して頂きました。

7.太陽光パネル

ウィザースホームでは太陽光パネルが非常に安く設置できると思っています。母体の新昭和が太陽光発電事業を展開している為、スケールメリットを生かして各システムを安価に仕入れられているのだと想定します。

https://www.shinshowa.co.jp/solar/

因みに、パネルはQCELLSになり、ドイツ→韓国買収の太陽光の実績と品質、コスパは申し分ありません。

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今回の「屋根」は最重要構成部材だけあって、注文住宅を検討し始めた際にここを如何に料理するかが大切かつ重要につき、始めにコメントさせて頂きました。今後施主になられる方に参考になる情報になればと思います。

お疲れ様でした。