制振装置について

こんにちは。

Larkです。

本日は、制振装置についてコメントしたいと思います。

と、言いますのも一昨日、ウィザースホームの防災フェスタというイベントに参加して来ました。中でも、MSダンパーの体験コーナーには、ヤマハのメーカーさんが来ており、突っ込んだ質問ができる良い機会と思い色々とヒアリングをしてきたので紹介致します。

MSダンパー

そもそもまず、MSダンパー(制震装置)とは何か?ですが・・・、その前に住宅の耐震に関する考え方から入りたいと思います。

まず、Larkは6地域の千葉県に住んでいます。千葉の内房エリアですが、ここの地震リスクから考えます。県のHPの報告資料から借用。

https://www.pref.chiba.lg.jp/bousaik/higaisoutei/documents/01shou.pdf

M7クラスの地震は当然ですが向こう50年で発生する可能性はこれまでの実績からみて十二分にあるでしょう。M8クラスはさすがに100年後かもしれませんが…。なお、多くの建物が倒壊した熊本地震はM6.5や7.3で震度7レベルであった事から、同クラスの地震は平気で起き得る可能性があり、家族を守る為の準備が必要という事になります。

 

それでは次に対策はどうするべきか?となりますが、構造塾でも推奨されている通り耐震等級3の取得がまず最優先事項としています。

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過去の地震を振り返れば耐震等級3は必ず取得すべき という事。

耐震性能を上げなければならない理由
★耐震性能① 地震の力に耐える強さ →剛性(等級3)必要
(固い地盤:変位は小さいが減衰しない強い加震力の為、これに負けない強さ) 
★耐震性能② 地震の力に変形しない力 →剛性(等級3)必要
(軟弱地盤:減衰して弱い力だが、変位が大きいため変形しない為の硬さ)
また、地盤が固くても柔くても、剛性が必要。
 
次に、耐震等級3の強さとは、建築基準法の最低限の強さ(等級1)の1.5倍の強さですが、これで十分ですか?どこまで強化しますか?という問題となります。Larkと同一見解をもっている方のブログが以下。
一生に一度の住宅が、大地震後でも同じように住める家が理想ですよね。しかも、太陽光や蓄電池など、災害後も家をシェルターと考えているのであれば猶更です。(高気密・高断熱住宅が地震後も維持できるのが理想)影響を小さくする為にはどうすれば良いか?そこでMSダンパーです。
 
まず共振現象について説明します。

物体には固有周波数といって、形や硬さ(ばねかたさ)に応じた振動し易い周期をもっています。イメージ的には「硬ければ小さく、柔らかければ大きい」でしょうか。その固有周波数(周期)に合わせて力を加えると、振動が増幅してしまうという現象です。

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理論的には以下のグラフで表現されます。

 減衰(粘性、エネルギーを消費するもの)が無ければ、赤線の様に増幅され続けます。一方で、ダンパーの様に減衰(粘性、エネルギー散逸)があれば、増幅・発散を抑えられます。また重要なポイントは固有周波数と地震の周波数を一致させない…という事です。それでは、実際の地震波の周波数はいくつくらいなのでしょうか??

以下が過去の大きな地震の加速度(ガル)と速度と周波数(点線)です。
実際には地震波に加えて、地域の建てられる地盤の硬さが最も周波数と振幅にも影響しそうですが(②と2⃣’の様に

ここで、重要なPOINTは大規模地震の目安のピンクハッチングに書かれている様に
速度が大きい領域(移動量が大きい→層間変形角が大きい※)かつ加速度が大きい(=地震荷重が大きい)領域が危険という事を意味しており、その領域は1Hz~2Hzとなっています。因みに、1sec~2secの固有周期(1Hz~0.5Hz)をキラーパルスと言い、グラフから速度が大きい領域である事が良く分かります。
なお、佐藤さんが指摘の通り、剛性の無い(弱い)家は第一波の地震でダメージを受けて固有周波数が低下する事で共振してしまう事を指摘しています。(10:45)
 
なお、この動画の中でも記載がありますが、耐震等級3の建物の固有周期は0.1s~0.3s(10Hz~3.3Hz)。3Hzは非常に怪しいですが、5Hz~10Hzまでもっていければ上記の過去実績MAPを見る限り、かなり速度(層間変位)を抑えられそうです。即ち、硬ければ硬いほど建物のダメージを抑えらえるという事です。
また、上記リンクのさとるパパのコメントから借用ですが、ミサワホームの制振装置の評価結果から、同様に制振装置による層間変位の抑制効果を上手く表現しています。(結果的に、制振装置による建物ダメージの抑制効果を表現)
 

実は、一昨日のイベントでは以下と同じ様な体験装置だったので

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ヤマハの方に「水平構面の火打ちと同じ様に、筋交いと同じ剛性UPの効果ではないですか?」と聞きました。(ちなみに、まさに軸組の装置で周波数も2Hzだったので狙って固有周波数にセットされていたんでしょうが)

その時のカウンターが上の層間変位の話でした。耐震等級を3としても層間変位が必ず発生する。オイルダンパーはゴムと違って、微小な(層間)変位でも減衰+抗力として直ぐに効く特徴がある。(以下パンフレット2⃣)

自分の中で一番消化した点は、2×4の合板(面)で剛性を担保している上に火打ちの様に剛性UPできているなら、それはそれで安心で評価できる(先の剛性UPの意味あい)。加えて、高周波域で共振したとしても、減衰効果が作用する為より安心できる。

また、2×4のダメージは基本、パネルのビス周りが緩む/折れるでやられるかホールダウン金物部がやられるか、バランスの悪い開口面の角の応力集中箇所等いろいろ想定されますが、それらの弱点箇所を網羅的に補強される(※)意味でも心強いですね。

一部断熱は欠損となるが、気密はパネル外のラインでとれるので2×4でMSダンパーの組み合わせは無敵じゃね??となったのでした。

※)なお、設置個所は限界耐力計算を実施し、最も吸収Egが最大化できる配置を個別計算頂きその結果と効果をデータで提示頂ける様です。非常に楽しみ!

地盤も弱くなかったので、入れるか迷いましたが採用継続を判断した次第です。我が家は太陽光も蓄電池も設置するので(安く設置できるウィザースの強み)、家がやられたら意味なし。

ウィザースホーム・・・恐るべし。最強仕様と最強コスパです。

 

ただ、先日の漆喰DIYは部分的ならいいけど全面はちょっと・・・と柔らかく断りを入れられました…。さてさて、どうしようか…。

 

本日は以上です。