住設について(エアコンの設置位置③)

 

こんにちは。

LARKです。

本日もエアコンの設置位置後編です。前回記事で1F間取りについて紹介しました。我が家は2Fリビング、1Fは居室空間+水回り(風呂・洗濯・洗面)になっています。今回、1Fの空調設計になるのですが、水回りは湿度コントロールの上で重要なエリアとなりますので、この理由から解説をしていきます。

エアコンは温度と湿度をコントロールするものですが、エアコンだけに頼るものではありません。温度に関しては、暖房に関してはパッシブな設計(太陽(輻射)熱による日射取得)が重要になりますし、窓部での冷却によるコールドドラフトの防止、床・天井・壁、窓部の気密処理による冷気流入の遮断等。こちらは後日UPしていきます。今回のPOINTになる湿度に関しても除湿に関しては全熱交換換気や、洗濯物の水分排出、加湿に関しても同様に全熱交換換気と洗濯物の水分回収、風呂場の水分回収が除湿器・加湿器以外の重要なPOINTと考えています。

まずは梅雨時・夏場の除湿環境から。

梅雨や夏場のあの湿気の不快さは誰しもが嫌いかと思います。梅雨場で雨が降り続いていれば室内干しによりさらに不快な加湿空間となり、洗濯物からは生乾きによる雑菌の繁殖・匂いすらも加わってきます。これを回避する一番の手段は「ガス乾燥機『乾太くん』」が最強ツールと思います。圧倒的なガス乾燥能力による日々の作業能率としっかり乾燥したふっくら気持ちのいいタオルや衣類による日々の快適性が最大のメリットと思います。ガス配管の施工工事が発生し、イニシャルコストやガス基本料金発生によるランニング増もありますが、ガスユーティリティの後から施工は大幅な費用増になりますし、資産価値としても価値を上げられるだろうという見立てに加え、災害時の冗長性等を考慮すると設置判断の一択になりました。これに加えて、この梅雨時期の室内干しを避けられるというのは大きなメリットであり、洗濯機と乾燥機がそれぞれ独立しているというPOINTも乾燥させたいのに洗濯機を回せない、洗濯機を回したいのに乾燥機を回せないという制約を排除できるという意味で非常に利便性が向上すると思います。(なお、乾太くんを設置される方はオプションの「逆止弁」は気密面で必須になりますのでお忘れなく!)

次に風呂場の浴室乾燥や換気ですが、こちらのサイトが非常~に勉強になりました。理系の方はアハ体験するかと思います。

業界が震撼! 浴室に換気扇(排気型)はいらない – 住宅 見学会 設計を新潟で 自然素材と木で高基礎、高性能、エコ・エコロジー・省エネ ローコスト (arbre-d.sakura.ne.jp)

夏場の浴室の局所排気に関してのコメントを引用する。

浴室を乾燥させるということは、顕熱が潜熱に変わっただけで家の中の全熱量は変わらない。ところが、排気型換気扇を使って乾燥させると2150KJ/h相当の熱が常に入って来ることになる。つまり熱負荷が増えるのだ。

簡単に言い換えると、屋外の湿度が高いタイミングは相対的に家の中の方が乾燥しているので排気すればするほど湿度が高い空気が入ってきますよ。室内の乾燥空気は上手く使いましょう。というシンプルな話。さらにはリンクの方が提案されているのは、局所排気はせずに浴室の乾燥のポイントは大風量循環であり、室内⇔浴室間を消費電力の小さなサーキュレーターで循環させましょうと言っています。前回記事で記載した「床下エアコンのブースターファン」の様な話が浴室にも出てきました(笑)

それでは我が家の場合にどうなるか?まず、ランドリースペースの冬場の効率的な湿度確保、夏場の除湿効率UPを目的にランドリースペースへの配置を検討しました。

ランドリー・脱衣洗面・浴室が一気通貫で送風できる間取りを敢えて選んだ事もあり南面へ配置。加えて、再熱除湿の熱負荷をMinにするためにも南面で日射取得により局所的に温度が上がる場所にエアコンを設置。また、脱衣室の温度環境(ヒートショック防止)としてちゃんと空調を効かせることができるという意味でもここを選択しました。ここから大風量で浴室まで届かせようとも当初考えましたが、今泉さんの以下の動画をきっかけに再熱除湿→弱風低温冷房の運用を目指す事になります。

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貴重な情報として、「再熱除湿よりも弱風強冷房運転の方が除湿量(潜熱分)が多く、効率も高い」という事です。再熱除湿が加熱による効率ロスが大きい事は認識していましたが、除湿量が弱風強冷房の方が大きい事は目から鱗でした。youtubeで再熱除湿エアコンをお勧めされている方を良く見ましたが、こんな知見もあるという事は知っておいた方がいいかと思います。

こうなると、戦略が変わります。CFには強風量が必要。一方エアコンは弱風量でないと温度が下がり過ぎる。結論「エアコン」+「CF(サーキュレーター)」がベストという事になります。上記リンクのCF施工はHMではさすがに難しいと勝手に判断して、置型のCFを設置する予定です。(電源はしっかりと準備を)

 

逆に、冬場はどうか?となりますが、冬場は今度は水分が不足(乾燥)します。この乾燥問題に関しては同様に今泉さんの以下動画が分かり易いのではないでしょうか?我が家も冬場は乾太くんは最終仕上げの乾燥目的での使用とし、基本室内干しによる水分確保を目指します。ここでも、エアコンによる乾燥空気を洗濯物に当てる事と夏場同様に浴室のCFによる乾燥促進で加湿を促進させます。それでも不足する場合はタオルを水で濡らして乾燥させるような原始的な対応で良いのではないでしょうか。そして重要なPOINTは今泉さんの指摘の通り、やはり全熱交換換気による湿度の排出量をMin化する事かと思います。

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なお、東の居室エリアは昼間は不使用なエリアとしているので部分間欠空調の運用になろうかとも思いますが、1種換気によるダクト送風で問題なければ上記のエアコン1台で、不足であれば通路の(バックアップ)エアコンで間欠運転する作戦です。

本日は以上です。